第59回
独自にリコールも実施、孫会社の優秀さ−駿威汽車(2)

日本の自動車メーカーにとって、
現在の中国自動車市場は
理想的な状況とはなっていません。
米ゼネラル・モーターズ(GM)、
独フォルクスワーゲン(VW)、
ダイムラー・クライスラー、
フォードなどなど、
欧米メーカーの影響力が強すぎるためです。

中国の自動車ランキングでも、
これら欧米メーカーや
その車種への人気が集中し、
通常、日本メーカー製品が
上位にランクインすることはありません。
このあたり、品質の高さで日本や世界では
人気が非常に高い日本メーカーですが、
中国では完全な「先発優位」、
出遅れた日本のメーカーは
厳しい戦いを強いられています。

その中でも、ホンダの合弁会社である
広州ホンダは善戦しています。
広州という、日本にとっては
上海や北京ほど馴染みのない地域ですが、
その経済力の強さにうまく便乗した感があります。
当然、日本製品としての
「品質の高さ」も高く評価されています。

広州ホンダは、
現在の中国の自動車人気ランキングでも、
ジャンルによってはトップ5、
あるいはトップ3に食い込むことがあるほど、
影響力をつけてきています。

そのホンダの合弁相手である
広州汽車の親会社が
駿威汽車(デンウェイキシャ、0203)です。
広州汽車に対する持ち株比率は95%、
広州ホンダは広州汽車とホンダの折半出資ですので、
駿威汽車には広州ホンダの半分弱の
利益を得ることのできる立場にあります。

そのため、駿威汽車の本業自体が
若干苦戦しようとも、
業績は安定させることができることになります。
駿威汽車の強みはまさにこの点に尽きます。

最新の決算では、
営業損益こそ赤字でしたが、
最終利益は50%以上の成長を遂げています。
中国にはまだリコール制度は確立されていませんが、
駿威汽車(の収益源=広州ホンダ)は
03年8月に日本のホンダのリコールに対応する形で、
自主的なリコールを実施したことも、
広東っ子には好印象だったようです。

−中国株自動車銘柄主要5社の株価推移(2002年末終値=100)−

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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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