第81回
「交通系」と招商局、「敬して近づけず」

若干、歴史の話になってしまいましたが、
招商局集団は非常に重要な企業グループですので、
もう少しお付き合いください。

中華民国(1912−1949年)の時代、
招商局集団は一時、
軍隊に接収されることもありました。
この一事によっても、
この時代において、招商局集団が
いかに重視されていたかがわかります。

中華民国政府の執政当時、
「交通系」と呼ばれるほど
交通部(国土交通省)の一派は
大きな勢力を持っていました。
その裏には、インフラと絡むだけに
贈収賄や談合などの不正を招きやすく、
その分、大きなお金が動く
という背景があったのですが、
中華民国の政治腐敗を象徴する
一側面にもなっていました。

そうした経験からか、
中華人民共和国が設立されると、
交通部は当然新設されますが、
その影響力は非常に限られるようになってきます。
不正防止のために、
意図的に交通部に
往年の権力を持たせないよう
配慮したようなところも見られます。

中国の四大国有銀行は、
中国工商銀行、中国銀行、
中国建設銀行、中国農業銀行ですが、
中国交通銀行は入っていません。
中国交通銀行も国有であり、
規模も大きいので、
五大国有銀行としてもよさそうですが、
以前にも触れた通り、
現在の交通銀行は遡れば、
中華民国時代の「交通系」にまで達します。

五大国有行とせずに、
一貫して四大国有行としてきているところに
人為的なものが感じられます。
当然、現在までに四大国有行ではない交通銀行は、
四大銀行より下位に見られがちです。

さて、招商局集団ですが、
中華民国時代は
基本的に交通部に直属していましたが、
上記のような背景もあって、
中華人民共和国が設立すると、
新政府は当然、
この招商局集団の取り扱いに苦慮したはずです。

新政府設立後も、招商局集団は
新政府の交通部に組み込まれることになったのですが、
招商局集団は無視できないし、有効利用したい、
しかし、交通部の勢力が増大しても困る、
というのが当時の政府の
率直なところではなかったでしょうか。
その対応は「賓客」扱いのような感じを受けます。
まさに、「敬して近づけず」といった具合です。

招商局集団の事業、
あるいはその活力としては、
表面上はともかく、
実質的には不遇の時代になりました。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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