第118回
世論が強くなって不正はまかり通らない世の中に

「拍手喝さいだが、
 あまりにもわが身を振り返らない危険な行為」
と評された国家審計署(会計審査署)の
李金華・審計長。

李金華・審計長が行なった監査報告が起こした
「6月の不正暴露の嵐」は、
一面で、現在の中国の
「ひどく醜い部分」を顕にしたといえます。

ある調査結果によって、
実に75%の人が
「あまりにも(本当のことを)暴露しすぎたので、
 暴露された側の逆恨みにあい、
 李金華・審計長の今後の政治家生命が心配」
と回答していることからも考えて、
李金華・審計長の行為はある意味
画期的なものだったといえます。

もしこれで、本当に李金華・審計長が
実際に何らかの逆恨みにあって
政治的な圧力が加われば、
李金華・審計長が失脚するか、といえば、
そうはできないはずです。
世論の力が非常に強くなっているからです。

今回の騒動から分かったのは、
中国の大手企業とはいえ、
いえ、大手企業だからこそ、
国有企業の非常に悪い面を濃厚に残している一方で、
不正に対して、世間に公表できる環境が整えられ、
それに対して、各メディアも盛んに報じ、
世論を煽り立てることができるように
なってきていることです。
世論も比較的自由に発言することを許される
環境になってきているといえます。

中国は、政治体制的に閉ざされていた期間が
過去に長く存在していたのは確かで、
いわゆる「負の遺産」含めて、
不正の温床もあったかもしれませんが、
今後は例外なく、不正が暴露、
摘発されていくようになるはずです。
それだけ、メディアや世論が成熟して、
彼らが黙っていない社会になってきているといえます。

この件を通じて、
中国から不正がなくなるかといえば、
やはりなくならないでしょう。
ただ、なくならないなりに、
状況は必ずいい方向に向かうことは
間違いありません。
中国の政治や経済も世論を完全に無視しては
立ち行かないところにきているといえます。

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