第209回
墜落事故が多い中国航空業界、有効的な再発防止急務

中国の航空会社というと、
航空事故が多そうというイメージが
どうしてもつきまとうようです。
2004年11月27日には
東方航空機が内モンゴルで墜落事故、
50人以上の犠牲者を出したのは
記憶に新しいところです。
犠牲者の方々のご冥福をお祈り申し上げます。

中国の航空会社が墜落などの大規模な事故が多い、
というのはある意味事実です。
日本の航空会社による墜落事故は
1985年の日航機墜落事故以来皆無なのに比べ
(日本での墜落事故といえば、1994年に名古屋空港で、
 中華航空機による墜落事故がありましたが)、
21世紀になっても、中国では航空事故が、
「後を絶たない」とまではいかなくても、
やはり多くなっています。

記憶に新しいのは、
2002年の4月と5月に相次いで起きた墜落事故です。
同年4月15日、中国国際航空機が韓国・釜山近郊に墜落、
乗客乗員128人が死亡するという事故がおきています。
また、同年5月7日には、
中国北方航空機が遼寧省大連市から近い海上に墜落、
日本人乗客を含む乗客乗員112人全員が死亡する
という惨事が起きています。

多くの乗員乗客を乗せているだけに、
航空機の墜落事故は、一旦起きてしまえば、
非常に多くの犠牲者を生むことになり、
大変悲しい事態になってしまいます。
当たり前ですが、
墜落した航空会社のイメージダウンは免れえず、
経営に支障をきたすことになります。

今回の東方航空機墜落事故でも、
事故直後に、東方航空から
「(この事故による)経営の影響は軽微」
とのアナウンスを流しました。
事故は週末に起きましたが、
翌週の月曜日の東方航空(0670)の株価は急落しました。

大規模事故の再発防止は、
中国の航空当局及び航空会社が
自覚して進めていかなければならない課題です。
結果として、21世紀になってからも
航空機事故が相次いではいますが、
当局や航空会社が
何も手を施していないわけではありません。
今後の改善や中国国民及び
世界の視線による厳しいチェックにも
期待したいところです。

というのも、やはり、中国の国土は広大です。
高速道路の建設や高速鉄道の導入計画も進んでいますが、
観光資源が豊富なことによる
国際線の開拓はいうまでもなく、
将来的には、アメリカと同等か
それ以上の国内航空ネットワークの構築を実現しなければ、
むしろ中国経済の高度成長にも
支障をきたすことは確実です。
そのためにも、航空業界における
「安全性(当然、経営リスクの軽減にもつながりますが)」の
早期確立が望まれるわけです。

- 中国の主な航空機墜落事故 -
日時 航空会社 地域 死者数 備考
1982年04月26日 中国民航 広西自治区 112 乗客乗員全員死亡
1986年12月15日 中国民航 甘粛省 6
1988年10月07日 山西航空 山西省 42 地上にいた数人負傷
1988年01月18日 西南航空 重慶市 108 邦人含む乗客乗員全員死亡
1989年08月15日 東方航空 上海市 33
1992年11月24日 南方航空 広西自治区 141
1992年07月31日 通用航空 江蘇省 109
1993年10月26日 東方航空 福建省 2
1993年11月13日 北方航空 新疆自治区 12
1993年07月23日 西北航空 寧夏自治区 55  
1994年06月06日 西北航空 陝西省 160 乗客乗員全員死亡
1997年05月08日 南方航空 湖北省 35  
1999年02月24日 西南航空 浙江省 61 乗客乗員全員死亡
2000年06月22日 武漢航空 湖北省 46 乗客乗員全員死亡、
地上にいて巻き込まれた犠牲者4人も含む
2002年04月15日 国際航空 韓国 128
2002年05月07日 北方航空 遼寧省 112 邦人含む乗客乗員全員死亡
2003年11月27日 東方航空 内モンゴル自治区 55 乗客乗員全員死亡、
地上にいて巻き込まれた犠牲者2人も含む

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
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個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2004年12月14日(火)

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