第378回
工商銀行の不良債権処理加速、香港上場も視野に

2005年6月末、
中国の中央銀行である
人民銀行の関係者からの話として、
中国工商銀行が9月末を目処として
株式会社化される見込みであることが伝えられました。
前回までにお話したような公的資金の注入と、
政策的な不良債権処理を
6月27日までに終了したこともあわせて伝えられ、
さらに、05年上半期(1−6月)の
国際会計基準に基づく中間期決算を
一般公開する予定だともされました。

そうなってくると、
今年中の株式公開も
全くないわけではなくなってきます。
中国工商銀行は、香港に工銀亜州
(コウショウギンコウ・アジア、0349)という
上場会社を有しています。
この銀行は、香港事業を統括するもので、
現在までに、香港で規模として
第6位にまで上り詰めています。

四大銀行ではありませんが、
国有銀行の一つである交通銀行(3328)が
IPO(新規株式公開)を成功させた前例も考えると、
中国工商銀行の本体が上場を検討する場合、
香港もかなり有力な候補となってくるはずですが、
その場合、本体と工銀亜州が
どのような関係になるのか、
まだ表に情報として出てきていません。
これについては、やはり四大銀行の一つで、
株式会社化をいち早く実現し、
同じく全体上場を考えているとされ、
中銀香港(2388)という香港上場会社を有している
中国銀行の去就とも関わってくるかもしれません。

以上のような疑問もあることにはありますが、
大きな流れの中では小事ですし、
以前から中国の金融当局が課題としてきた、
四大銀行の株式会社化と全体上場は、
だいぶ進んできたようにも思われます。
四大銀行の一つではありますが、
他の3行とは色合いが違う
中国農業銀行をあらゆる意味で別格とすれば、
最も図体が大きく、
それだけに問題が大きいともされていた
工商銀行の株式会社化と上場は
その象徴ともいえます。
ただし、今回発表された不良債権のデータから、
若干の不安要素も見え隠れしています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年8月5日(金)

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