第387回
企業業績の悪化予兆:マクロ経済はむしろ安定へ

私個人は、
人民元の再度の切り上げは、
確かに状況次第ではありますが、
過度に期待もできず、
可能性も小さいのではないかと思っています。
以前も指摘したように、
5%ほどの切り上げならば、
中国でも十分に対応できるものですので、
例えば、残り3%ほどのキャパシティーがあり、
この間での調整は十分に考えられますが、
それを超えるような水準での切り上げは、
中国にとってリスクが
大きくなると考えられるからです。

そのため、前回で指摘したとおり
企業業績の悪化は若干の懸念材料です。
現在まで、上場企業が
深刻な業績不振となってきているという情報は、
余りありませんが、
中国の場合、国有企業、
あるいはその中心である中央企業
(その傘下には多くの上場企業が含まれます)、
または、国家統計局が発表する
工業企業の指標などは、
中国全体の傾向を示すものとなりますので、
北京や上海といった
主要地域における工業企業の減益という情報は、
一つのターニングポイントになりかねません。

H株など中国系企業の多くが
8月に中間決算を発表しますので、
それをしっかりと確認して、
今後の業績を見極めていきたいところです。

15日までに、
H株は終値でも5500ポイントを超え、
今後どこまで伸びるのかが注目されます。
先ほどまでに指摘したように、
企業業績は必ずしも
理想的なものにならない可能性がありながらも、
若干高い経済成長率は心配ですが、
以前までに言われてきたような投資過熱は、
少なくとも表面上、押さえられてきていますし、
マクロ経済やその環境は安定しつつあります。

9月5日には、
H株指数の入れ替えが行われます。
交通銀行(3328)、
神華能源(シェンファエナジー、1088)などが
新たに組み込まれることでも、
市場からは期待されているようです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年8月18日(木)

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