“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第1回
最後の晩餐

「地球滅亡まであと一日。
 その最後の晩餐にあなたは何を食べますか?」
と問われたら、どう答えるか?
この話題を食いしんぼうの仲間にすると相当盛り上がる。

結婚記念日、誕生日、クリスマス、バレンタインなどの
普通の記念日でも数日頭を悩ますものだが、
最後の晩餐となるとグルメを自認する面々は
いよいよ自分の知識・知見が問われることになる。
馬鹿にされないように、滅多にはいけないような超高級料理店や、
想い出深い店を挙げることになるだろう。

たとえば、ロオジェ、タイユバンロブション、
福臨門、数寄屋橋次郎、
はては海外ならフランスの三ツ星レストランから、
今まさに時流のエルブリ、レ・カレンドレなどなど。
私はどうかというと、プロの料理店には行かない。
最後なら自分で仕入れ、自分で料理する。
最高に美味しいものは、専門料理店では限界があるからだ。

これは何も、プロの腕、専門料理店の価値を
認めていないわけではない。
プロの料理は素人のとは一線も二線も画しており、
非日常性あふれた雰囲気とサービスを合わせて、
専門料理店ではわくわくした食事ができる。
毎日でも通いたい料理店も多い。
しかし、それでも究極の美味しさをもとめると
自前で準備するのがベストなのだ。

私は料理を振舞う宴を開催することがあるが、
このときには知り合いの居酒屋、割烹、蕎麦屋などの
食のプロたちがこぞって参加したがる。
これは、私の料理の腕がプロ並みにすぐれているわけではない。
素人に毛が生えた程度の腕でも
美味しいものに興味を持っていれば、
玄人の出す味を超えることが可能なのだ。
ただし、美味しさの本質を理解し、
食材の知識と調理の実践方法を身につける必要はある。
次節以降に、美味しさとは何か、
どうすれば究極の美味を体験できるかを紹介したい。


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