“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第45回
秋鹿酒造からの宅急便

以前、danchuの日本酒特集で
秋鹿酒造が大きく取り上げられたときに、私もコメントを載せたが、
そのときにドメーヌ蔵元という言葉を使った。
これは、秋鹿が原料米として
自家栽培と契約栽培の山田錦を主体とした
一貫造りをしていることを指して、
ワインの小さいドメーヌと同じように
原料の栽培から気を使っているという意味合いであった。

その秋鹿酒造から一升瓶が二本贈られてきた。
両方とも銘柄は「嘉村壱号田」という純米大吟醸である。
片方は生酒、片方は火入れ。
この酒は実は私がラベルの絵を無償で描いている。
能勢の風景のなかの田圃。
嘉村壱号田という名も私の命名で、
ワインが葡萄畑を限定して、
その畑の名前をつけているということと同じように、
蔵元自らが手作業で
無農薬で山田錦を栽培している田圃の名前をつけたわけだ。

2001醸造年度のものはすでに発売されているが、
2002醸造年度のものを今回発売開始した。
ラベルの絵は、
生酒のほうは田圃の瑞々しい感じを出し、
火入れのほうは
収穫前の黄金色に実った稲のイメージで描いているが、
前年と全く同じだと面白くないので、
今回は火入れは実りの感じを田圃全体の風景で表現し、
生酒は嘉村壱号田とは違うのだが、近くの棚田の風景を選択した。

この嘉村壱号田という田圃は、
田植えの株の間隔を通常より長くとっている、
肥料はほとんど与えない、
除草は手取りでおこなって稲に雑草との生存競争をさせる、
という極限状態の成育を強いて、強い米を育てている。
このような育て方により、以前にも紹介したように、
とても芳醇で強いパワーと繊細な旨みを
同時に持った日本酒に醸される。
それが、5度の低温で二年間熟成させて、
よりまろやかになったものが出荷されるわけだ。


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