“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第69回
全国牡蠣の食べ比べ

牡蠣の名産地は全国にある。
牡蠣といわれてまず思い浮かぶのは広島。次が三陸。
しかし、広島といっても、
広島市の牡蠣よりも、
少し離れた安芸津、竹原の牡蠣のほうが最近では美味しい。
これは海水が汚れていなくて、かつ、養分もいいからだ。

牡蠣の美味しさは山が恵むという。
川が海に養分を運んできて、その海水が牡蠣が美味しくする。
従って、牡蠣を養殖する海に注ぐ川の周囲が
どのような状況かということが重要だ。
牡蠣の産地として他に有名なのは、
三重県の的矢、北海道の厚岸(あっけし)、サロマ湖などだ。
厚岸は特に町おこしで厚岸湾に注ぐ川の周りの環境整備を行い、
牡蠣の品質向上に努力をしている。

このように、牡蠣の美味しさはその地の陸の美味しさなので、
産地が違えば美味しさが違うわけだ。
となれば、食いしん坊は
全国の牡蠣の名産地から牡蠣を取り寄せて
食べ比べるというイベントを当然思いつくことになる。

これまで三回ほど
全国牡蠣の食べ比べのイベントを実施してきた。
会場は栃木県西那須野の蕎麦屋である「胡桃亭」。
こちらは、超がつく粗挽き蕎麦にこだわっている名店だ。
店主の村上さんとは旧知の間なので、無理なお願いがしやすい。
十数名ほどの仲間を集めて牡蠣の食べ比べを行った。

仕入れた牡蠣は、安芸津、的矢、三陸、厚岸と
名産地を代表するところから。
調理法としては、生牡蠣、焼き牡蠣、牡蠣鍋などだ。
いずれの牡蠣も美味ではあったが、
最も人気が高かったのは厚岸の牡蠣だった。
これは、厚岸の漁業組合から取り寄せたものだった。
雑味が少なく、旨みが濃い。これが厚岸の牡蠣の特徴だ。
この牡蠣はあまりに美味しかったので、
高田馬場「真菜板」に紹介して、
いまでは定番の酒肴となっている。


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