“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第92回
絶品の刺身、シマソイ

学生に出す刺身を何にするか考えたが、
八角は近海漁船がでなかったために入荷していない
という連絡があった。
そこで、仲買と相談してシマソイに決定。
北海道にはソイと名がつく魚が
クロソイ、マゾイ、シマソイと三種類獲れるが、
それぞれ種類が違うそうだ。

シマソイという魚は初めて見た。
ぷっくりとした丸っこい魚で愛嬌がある。
表面はヌメリがあって持ちにくい。
カサゴの仲間らしい。
内蔵をはずし、三枚におろして刺身にする。
身は厚く、脂が乗っている。
薄作りにしたところ、
うすいピンク色に赤い色が混じった
花びらが散ったような景色ができた。

捌いているときには脂が相当あるのかと思っていたら、
以外にあっさりとしていて上品な味だ。
ぷりっとした食感に脂の旨みが乗っている。
鯛の食感。
平目をすこしコクをつけた味。
これは火を通せばさらに旨みがでる。
湯を沸かせてしゃぶしゃぶで食べようとも考えたが、
その前に10名ほどいた学生は
4尾分のシマソイの刺身をほとんど平らげてしまっていた。

合わせた酒は宗玄と初駒の純米無濾過生原酒。
初駒は青森県の酒でバランスのいい、旨みのある酒だ。
青森県では喜久泉の田酒(でんしゅ)が有名だが、
初駒はその上を行く旨みがある。
北海道の海の幸に青森県の地酒がよく合う。

アラは翌日に出汁をとって、
酒粕をからめて味噌汁にしたが、これがまた美味。
癖が少なく、上品な旨みがある。
諏訪泉純米酒の上品な酒粕が柔らか味をだしている。
小樽からの荷には蝦蛄(しゃこ)がサービスで入っていた。
関東で獲れる蝦蛄に比べるとやや大ぶりで、
瀬戸内の蝦蛄の大きさに近い。
茹でたものだったので、そのまま殻を剥いて食べられる。
いい塩加減で蝦蛄の甘みがよくでていた。


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