“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第223回
森喜酒造場で『るみ子の酒』を堪能

地球が壊れたかのように、日本全国猛暑が続いている。
このような時には食欲が減退して、
冷たい食べ物、飲み物が欲しくなるが、
逆に温かいものを身体に摂ることが必要だ。
ということで、夏でも燗酒を励行中。

『るみ子の酒』は
尾瀬あきら氏の描いた素敵な女性像のラベルが目立つ酒だが、
しゃきっとした骨格の旨みがあって、燗あがりをする。
その『るみ子の酒』を醸す森喜酒造場を訪問した。
松阪からはJR紀勢線で亀山まで行き、
そこでJR関西本線に乗り換えて柘植を通り、
佐那具という駅で降りる。
駅から徒歩10分ほどなので、
ぶらぶらと田圃の中の道路を歩いて、森喜酒造場に向っていたら、
田圃のなかに見たことのあるような人が農作業をしていた。
るみ子さんだった。
自家栽培山田錦の田圃の雑草取りを一人でしているところだった。

無農薬で栽培しているので、雑草はとってもとっても伸びてくる。
それを、手押しの雑草取りの機械を使って、
雑草を掘り起こすように取っていく。
5反ほどの広さの田圃の雑草取りを一人で1畝づつやるのは、
相当大変で、一日で終わる作業ではない。

るみ子さんと合流して、森喜酒造場に到着。
るみ子さんの夫で社長の英樹さんも笑顔で迎えてくれた。
蔵で今年の造りの酒を一通り利いてから、
蔵のすぐ近くの「松尾」という蕎麦屋で会食。
酒と酒肴と蕎麦を楽しむ。
酒はもちろん森喜酒造場の日本酒、
『すっぴんるみ子』『はなぶさ英』を楽しんだ。
「鯖のへしこ」が酒を進める。

蕎麦もなかなかのもので、
『せいろ』と『たまごとじ』を楽しんだ。
『せいろ』は結構な盛り付けで、
味わいと喉越しとも十分満足できた。
『たまごとじ』はやや玉子が火が通り過ぎのきらいはあったが、
十分旨い。
なお、『たまごとじ』は
蕎麦屋の実力がそのまま現れるので面白い。
初めて訪問する蕎麦屋では、
せいろ、そばがき蕎麦掻、たまごとじを注文すれば、
そこの蕎麦屋の全体像を把握することができる。

「松尾」を後にして、
森喜酒造場で「るみ子の酒」を飲みなおす。

今年の9月には、
大阪のリーガロイヤルホテルで、
「燗酒楽園」というイベントが開催予定だが、
これは、蔵元交流会という団体が主催し、
これまで東京で2回このイベントを行ってきた。
夏に燗を飲むというのが、テーマであり、
関西では初めての開催。
森喜酒造場は、蔵元交流会の代表幹事なので、準備が大変そうだ。
地元の幹事として、秋鹿酒造が任命されていて、
この機会に森喜社長は
秋鹿の奥常務とさらに親しくなったとのこと。
翌日に秋鹿酒造を訪問することになっていたので、
興味深く話しを聞いた。

「るみ子の酒」が身体に十分まわり、
伊賀市の夜はふけて行き、いつしか蔵で睡眠をとっていた。


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2005年6月29日(水)

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