“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第618回
中野「蔡菜食堂」で極上の中華

バードランドのフロア係りだった蔡さんが
中華料理の店を出したことは、かなり前から聞いていた。
一度は訪問しようと思っていたのだが、
たまたま行った日に店が夏休みをとっていたりして、
延び延びになっていた。

年を明けてやっと蔡さんの中華料理を堪能することができた。
妻と二人で予約して、予定の時刻に到着。
中野の丸井の丁度裏手の路地に
「蔡菜食堂」はこじんまりと佇んでいる。
蔡さん夫妻だけでやっている小さい店で、
4人がけのテーブルが4つだけ。
店内は小奇麗で気持ちよい。

まずは、紹興酒をボトルで注文して、メニューを眺める。
前菜が200円から500円、主菜でも700円から1000円と
大変リーズナブルな値段。
前菜をいただく。
まずは、「新緑ザーサイ」。
蔡さんの奥さんが漬けたもの。
自然の味わいで、口のなかがさっぱりとする。
次が「揚くわい慈姑」。
慈姑を四つ切にして、揚げたもの。
ほこほこした食感に、慈姑の甘みが乗って旨い。

「脆皮鶏(ツェピーチー)」は鶏を丸ごと揚げたもので、
香港「福臨門」の看板料理として有名。
鶏の皮にアメを塗って天日干ししてから揚げる手間がかかる。
鶏の旨みがさりげなくでていてとても美味。
蔡さんは化学調味料を一切使用していない。
味を加えない調理は食材の自然の旨みが味わえる。
そして、「豚の耳のネギあえ」。
コリコリした食感でコラーゲンたっぷり。
白髪葱と和えて、胡麻油で風味を出している。
次が、「スペアリブの黒酢ソース炒め」。
黒酢の酸味と甘みがよく利いていて、豚の香りが愉しめる。

そして、「餃子」、「ワンタン」も旨い。
自然の味で嫌味がない。
さらに、「烏賊とセロリ炒め」、「揚げピーナッツ」、
「海老と豆腐のうま煮」といただく。
味付けが自然であるので、いくらでも胃袋が受け付ける。
最後は、「ナンプラーとアンチョビの焼きそば」で〆る。
それに、スープを取り、デザートは緑豆アイスに杏仁豆腐。
十分満足した一夜であった。

蔡さんは料理の修業を特別したことはないという。
バードランドで賄い料理を作っていたところ、
和田さんに旨いから店を出したら
と勧められたことがきっかけらしい。
蔡さんの料理には味のセンスを伺えるが、
和田さんの自然な旨みのある素材に向かう姿勢から
学んだことが多いという。
この日は二人で9000円。
何度でも行きたい店だ。


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2007年1月17日(水)

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