“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第657回
稲取温泉の金目鯛

大学の学科の先生方との懇親旅行が毎年3月に開催される。
今回は稲取温泉だった。

稲取といえば、観光協会の事務局長を
「一戸建て家つき、年収700万円」の条件で、
全国公募したことで話題になった観光地。
最近、応募者1281人のなかから、
NPO法人「全国まちづくりサポートセンター」事務局長の
渡辺法子さんが選ばれたばかり。
それと、もう一つ稲取で有名なのは、金目鯛。
稲取に水揚げされる金目鯛は、
マハメダカというハダカイワシの一種を餌としているので、
旨いという。

中くらいの規模の温泉ホテルで、
食事はあまり期待していなかったが、
金目鯛尽くしの料理はなかなか美味しかった。
まずは、刺身をいただく。
合わせたのは、持込をした宗玄「八反錦」。
金目の甘みが口に広がる。
そして、煮付け。
柔らかい肉質で、そこに煮汁が溶け込んでいてとてもいい。
こちらは、秋鹿「山廃雄町70%」の燗を合わせる。
そして、シャブシャブ。
まずは、昆布の出しのなかに野菜を敷き、
その上に金目鯛を乗せる。
火を通しすぎないように、
短時間で裏返しして、すかさず食べる。
こちらには、悦凱陣「オオセト」を合わせる。
刺身よりも、甘みがさらに出てきている。
さらに、味噌汁の具も金目鯛。
こちらも、繊細な旨みがでていて、後を引く。

夕食がなかなか旨かったので、
帰りがけに金目鯛を売っているところはないか、探してみた。
土日だと稲取漁港で生魚の市場がでているとのことだったが、
残念ながら帰りは月曜日。
ともかく漁港に行ってみることにした。
そのなかで、金目鯛の干物を売っている店を発見。
「徳蔵丸」という、二階は料理屋になっている店。
「網元料理」という看板が目立つ。
干物は天日干しにしているという。
ここで、金目鯛の干物と鯵の干物、
それにシラスを自宅の土産に購入した。

そうして、車で自宅へ向かうときに
NHK第一放送を聴いていたら、
なんと、稲取観光協会事務局長に選ばれた
渡辺法子さんのインタビュー番組をやっていた。
不思議な縁を感じる。
そして、そのインタビューのなかで
「雛のつるし飾り」という名物があることを知り、
それを見ずに帰ってきたことが残念であった。


←前回記事へ

2007年3月13日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ