“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第706回
五反田の焼鳥屋「たかはし」

駒沢「ラ・プリムール」は十数年前によく食べに行っていた。
そのシェフ高橋さんが五反田に焼鳥屋を出したというので、
一度食べに行こうと考えていたが、
やっと訪問する機会ができた。

店は五反田駅のすぐ近くのビルの2階。
午後8時15分の予約で、少し前に到着したらまだ店は準備中。
我々が最初の客だったが、
徐々に集まり始めて定刻に開店したあとは、
L字カウンターとテーブル数席の小さい店内は
すぐに満席になっていた。
カウンターに座ると、店主の高橋さんが軍鶏を炙っている。
その風貌は竹鶴の石川杜氏にちょっと似ている。

まずは突き出しは手羽先の煮込み。
なかなかいい味付けで、ビールで乾杯。
すぐに日本酒に移行する。
日本酒は神亀純米と竹鶴秘傳の2種類のみ。
この選択はなかなかいい。
まずは、神亀を燗にしてもらうようにお願いする。

前菜は「モモ肉のタタキ」、「皮の酢の物」、
「レバーのテリーヌ」を注文。
「モモ肉のタタキ」はなかなか旨い。
そして神亀が進むこと。
さらに「皮の酢のもの」も、いい具合に酢加減が利いている。
これには、酸味のより強い竹鶴秘傳を合わせる。
醸造酢にはやはり酸のしっかりとした日本酒がベスト。
これはワインでは絶対に合わない。
レバーのテリーヌはさっぱりとした味付け。
インパクトは少ないが、
竹鶴秘傳とあわせると旨みが広がってくる。

ということで、次に注文する焼鳥が期待される。
フレンチの技がどのように生きているのかと興味深い。
焼鳥は、ソリ、ボンジリ、セリ、ハツ、砂肝、手羽、
つくね、エリンギ、ズッキーニ とお願いする。
こちらは、美味しいことは美味しいのだが、
ちょっと火の通しすぎの感。
これもフレンチ感覚か。
もう少し半生のギリギリで食べてみたい気がした。
最後に親子丼、鶏スープ、焼きプリンをいただく。
このようなラインナップだと
バードランド系の焼鳥屋を思い出すが、
高橋さんが修行した焼鳥屋は
バードランドとは無関係なところとのこと。

大半の客はワインを愉しんでいたが、
神亀と竹鶴と長野の「ぎたろう軍鶏」を合わせる愉しみを
ぜひとりたい。


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2007年6月4日(月)

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