“蕎麦屋酒”の著者がプロ顔負けの美味探求

第709回
久しぶりの茅場町「みかわ」で天麩羅

以前はよく「みかわ」に行って、
早乙女さんの天麩羅を愉しんでいたが、
ここ数年どういうわけか行く機会を失っていた。
ところが、先日の
「豊かな東京湾再生委員会 食文化分科会 有志会食」
で早乙女さんに会ったのがきっかけで、
久しぶりに「みかわ」を訪問することになった。

午後の8時に予約。
時間通りに到着したら、
カウンターにはまだ一回転目の客が少し残っている状態だった。
おまかせコースをお願いして、天麩羅の出るのを待つ。
まずは、海老から。
身が二匹提供される。
一つ目は塩で食し、二尾目は天つゆで。
塩で食べると海老の甘みが広がってくる。
天つゆに漬けると、衣に出汁の香りが乗って、また旨い。
酒は菊水の燗。
可もなく、不可もなくという感じだが、
やや物足りない味わい。
そして、アオリイカ。
鮨で食べるのとはまた違った甘みが感じられる。
塩よりも天つゆで食べるほうが好み。

食べている間に、早乙女さんと江戸前の粋の話で盛り上がる。
カウンターの幅が一尺五寸としているのが、
腕の長さの一尺に余裕を付け加えた寸法という話が面白かった。
これで、空間と時間を売るのが江戸前料理という。
そうしている間に、キス、ギンポウ、稚鮎、穴子と続く。
ギンポウがまさに旬で旨い。
稚鮎は蓼酢で食べる。
苦味がたまらない。
穴子も深みのある甘みを持っていて、とてもいい。
そして最後が、アスパラ揚げ。旬の香りがする。
天麩羅のネタは、鮨と違って、
ほとんど江戸前のもので準備できるそうだ。
鮨との違いは魚の種類ということもいくらかあるが、
天麩羅屋は鮨屋に比べて数が少ないから、
東京湾のもので十分まかなえるという。
食事は天茶を選択。
掻き揚げが出汁に溶け出して、ご飯によく合う。
久しぶりに早乙女さんの天麩羅を愉しみことができた。


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2007年6月7日(木)

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