第4431回
お金でお金を儲ける商売は花盛り

中国人のお金の儲け方は物づくりをして付加価値を生み出すよりも、人のふところにあるお金を自分のふところにどうやって動かすかということに集中してきました。
安い所で生産された物を高く売れる所に運んで売れば、その差額を稼ぐことができたので、そうした才覚は他国民を遥かにしのぐものがあります。
そこへ開放政策を打ち出して先進国の資本と技術を導入して「世界の工場」への道をひらいたので、中国は僅か20年あまりで山ほど外貨を稼ぐチャンスに恵まれました。
しかし、そういう幸運に恵まれた中国人でも、お金を手に振って見ると、「お金でお金を稼ぐ」性癖を変えることができず、折角、稼いだお金でお金を稼ぐビジネスに手を出して夜逃げをしたり、ビルの上からとびおりたりしています。
そうした企業家たちとは別に、役人たちと馴れ合いになって土地を安く仕入れて短期間に大成金になった一群の新興階級があります。
そうしたお金を稼いだ成金も中国にはバカにならないほどいますが、これらの新興成金たちはいずれも基本的に「お金でお金を稼ぐビジネス」にしか興味がありませんから、不動産ブームで稼いだお金で次にやることも同じ発想で続けることになります。
マンション群の隣に突然、エルメスやルイ・ヴィトンを導入したアメリカ風のショッピング・センターをつくったり、アメリカの一流ホテルに外観だけは負けない超豪華ホテルが次々と建っているのは、いずれも他人のポケットにあるお金を自分のポケットに移すビジネスを狙っていると考えたらわかりやすいのではないでしょうか。
そうした発想しか考えられないプリミティブな中国人が次々にやることも当然、そうした発想からとび出すことは考えられないので、銀行は政府が独占していてやらせてもらえないとすれば他人のポケットにあるお金を自分のポケットに移すビジネスがふえることはあっても減ることは先ずないと見ていいのではないでしょうか。
バブルが中国にもたらすトラブルは何か見当がつくのではないでしょうか。