至福の一皿を求めて おいしさの裏側にある話

第41回
カフェ『ひなぎく』の心地よさ

中央線沿線はかなり濃い目の
魅力的な街揃い。
その中で私が荻窪に行くときはたいてい
この店が目的です。
商店街の奥、行き止まりあたりの左手。
見逃しそうな狭い階段を上がったところに
カフェ『ひなぎく』はあります。
その存在感は、店名の印象に似て
なんだか奥ゆかしい。

休日の遅いランチが好きなんです。
玄米ごはんやおそうざい、
「ねこぱんという名の天然酵母パン」など
カラダに良さそうなメニューもいろいろ
(そういえばベジタリアンメニューも)
ありますが、
特筆すべきはホットサンド。
数種類ある中で、私が気に入っているのは
「メープルシロップとゴーダ&クリームチーズの
ホットサンド 胡桃入り」と
スパイスの効いた「チャイ」の組み合わせです。

カリッとプレスされて、こんがり焼き上がった
全粒粉入りのパンの中から
チーズがとろり、甘い香りがふわり。
ひとくち、ふたくち頬張るうちに
まったりとお休みの1日が過ぎていきます。
窓のすぐ外で
時々、ガタガタと行き交う電車の音さえ
なぜか心地よく
目は思わず宙を見る、という。

店というものを温度にたとえるなら
ここは人肌。
自分の体温と、周りの温度の境目が
わからなくなるほど落ち着ける、
そういう居心地があるのだと知りました。

陽のあるうちか、夕方までしか来たことがないけれど
そのうち夜も訪れてみたいと
密かに狙っています。
ここにはワイン、日本酒、泡盛もあるし、
自家製の果実酒や
なぜか充実しているベルギービールも気になります。
ひとりごはんでも大丈夫。

夜の『ひなぎく』はどんな
表情に変わるのだろうと想像しながら
チャイをフーフーしながら
カウンターの中に目を向けると
ゆったりした風情の女性スタッフがふたり。

彼女たちと話をしたことは、まだ
一度もありません。
ちょっと話をしてみたいような。
このままでいいような。


■ひなぎく
東京都杉並区上荻1-10-3-2F TEL 03-5397-2223


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2004年2月16日(月)

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