服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第1回
ネクタイの長さ、調節のコツ

ネクタイを上手に結ぶとき大切なこと。
それは長さです。長すぎるネクタイや、
短すぎるネクタイはどちらも滑稽な感じになってしまいます。

ネクタイの基本的な長さは、
ウエストライン辺りということになっています。
ズボンを穿く時、ベルトを締めますね。
ベルトのバックル部分が、ネクタイの端で
ほぼ隠れるくらいの長さと、考えてください。

余談ですが、ネクタイの幅の広い一端を
「大剣」(だいけん)と言います。
狭いほうの一端は「小剣」(しょうけん)です。
英語でも「大剣」のことを”ブレイド”(刀)と言いますから、
ちょっと似た表現ですね。
では「小剣」は何と言うか。”スモール・エンド”。
まあ、こんなことは無用の雑学ですから、
覚える必要はありません。

仮にそれがドミニック・フランスでも
エルメスでなくても、
ネクタイがちょうど良い長さに結ばれているのは、
気持ちの良いのものです。
この気持ち良さは、実は上半身と下半身とを
上手に表現することと関係があるのです。
ズボンの穿き方、ベルトの位置、ネクタイの長さ・・・。
これらがそれとなく上半身を構成してくれるからです。

さて、ここに問題があります。
有名ブランドのタイをごく普通に結ぶと、
どうしても長くなってしまうことがあります。
これは実は首のサイズや体型の違いからくるものです。
現に、ネクタイの長さは約145センチ前後。
ではどのように扱えば良いか、お教えしましょう。

まず「小剣」は無視して下さい。
「大剣」がちょうど良い長さに来るように結んでください。
すると場合によっては「大剣」の下から
「小剣」がのぞいてしまうことがありますね。
この余った「小剣」は裏側に折返しておけばよろしい。
ネクタイには必ず織ネームが付いていますから、
このループを利用して、「小剣」を巻きつけておくのです。
この織ネーム、専門用語では、
ループ・レイベルと言いますが、
これも無用の雑学でしょうね。






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2006年1月30日(月)更新
- このコラムは連載終了いたしました -

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■出石 尚三 (いずいし・しょうぞう)
1944年香川県生まれ。1964年、デザイナー小林秀夫に入門して以来、メンズ・ファッション一筋。服飾評論家、ファッション・エッセイスト。
『服飾入門』(西東社)以降、著書数々。最新刊は『ロレックスの秘密』(講談社)『完本ブルー・ジーンズ』(新潮社)など。ウォッチオブザイヤー審査委員長。特技は夢想。趣味は散歩、古本、銭湯など


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