虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第5回
熱くなる食べ物と寒くなる食べ物 (その1)

中医学や薬膳料理では、食べ物を「熱性の食べ物」
「寒性の食べ物」「平性の食べ物」というふうに分類しています。

例えば熱性の食べ物とは、主に体温を上げるもの、
血圧を高くするもの、頭を興奮させるものなどを指します。
(前回で述べた羊肉・しょうが・ねぎ・ニラなどです)    
ですから、熱性の食べ物ばかり食べていると、
体温が上がりすぎて体が乾燥しすぎたり、血圧が高くなったり、
興奮してのぼせたり、イライラしたり、不眠になったりします。
車でいうとエンジンが焼けて、
オーバーヒートしているような状態です。

寒性の食べ物とは、主に体温を下げるもの、
血圧を低くするもの、頭を沈静させるものなどを指します。
(前回で述べたスイカ・メロン・きゅうり・そば・豆腐などです)
だから、寒性の食べ物ばかり食べていると、
体が冷えすぎて血行が悪くなったり、疲れがとれにくくなったり、
体力や免疫力が低下したりします。

平性の食べ物とは、
熱性の食べ物と寒性の食べ物の中間です。
体を温めたりも冷やしたりもしません。
主食に食べるものに、お米・イモ・とうもろこしなどの
平性の食べ物が多いのは、そういう理由からです。

人間の体内にはたくさんの酵素があり、
それらは非常に重要な働きをしています。
また、酵素には至適温度というものがあり、
ある一定の温度でないと活性化されません。
このため、体温が低くなると
大部分の酵素の活性が落ちてしまいます。
それで低体温の人たちは体力や免疫力が低下するのです。
逆に、体温が高くなりすぎると
酵素のタンパク質が変性して活性が無くなる可能性があります。
そのため、体温を正常に保つことは非常に大事なことなのです。

始めのところではわかりやすくするため、
熱性の食べ物・寒性の食べ物・平性の食べ物の3つに
大きく分けて説明しましたが、
実際には熱性は大熱・熱・温・微温に、
寒性も大寒・寒・微寒・涼というふうに
4つずつに分けられています。

何だか複雑になってきましたが、それについては次回で。


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