虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第32回
漢方薬は何の病気に効きますか?

「漢方薬は、本当に効くのですか」
「漢方薬さえ飲めば、どんな病気もよくなるのですか」
「○○という病気には、どんな漢方薬を飲めばよいのですか」
これらは、よく聞かれる質問ですが、
非常に答えにくい質問でもあります。
何故かといいますと、東洋医学と西洋医学では
病気の考え方が大きく異なっていて、
単純に比較ができないからです。
わかり易くいえば、東洋医学というものは
「健康とはこういうものである」
ということを前提にして成り立っており、
西洋医学の場合は
「こういう状態を○○病と呼ぶ」
ということを決めた上で成り立っている
ということです。

つまり、東洋医学では
健康な状態がバランスを崩すと
病気になるというふうに考えているのです。
だから治療の方法は、
体の機能を調整してバランスを取ったり
人間の体が本来持っている自然治癒力を高めたりして、
正常な状態すなわち健康な状態に戻すことに
重点を置いています。
それゆえ、病気の予防ならびに健康増進、
老化の防止などの健康作りが得意なのです。

一方、西洋医学のほうでは
病気を詳しく調べていくことで原因を突き止め、
その原因を取り除くことで病気を治す方法を主に取ります。
特に、手術が必要な場合や
感染症などの治療には威力を発揮します。

ただし、抗生物質や化学療法剤などの
過度の使用による耐性菌が出現して、
一部の感染症の治療が難しくなってきており、
大きな問題にもなっています。


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