虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第79回
「ウサギとバナナの話」(問診5)

中医学では、
尿や便の回数・量・状態・色なども
体調を知る重要な手がかりになることがあります。

例えば、
色の薄い尿が大量に出たり
夜中にトイレに何回も通う場合は
気力不足か冷えが原因のことが多く、
ひどくなると
尿モレや失禁も起こりやすくなってきます。
また、尿の量が少なく色が濃い場合は、
身体に発熱や炎症があることを示しています。

気をつけなければいけないのは、
小便が赤色や褐色に見える場合で
尿に血液が混じっていることが考えられます。
こんなときは、腎臓や尿管などに
結石や悪性の腫瘍がある可能性がありますから
必ず泌尿器科で検査されたほうがよいでしょう。

また、ウサギの糞のような
コロコロとした便がでる便秘の場合は
腸が緊張して硬くなって
大便が通りにくくなっているわけですから、
いくら冷たい水を飲まれても
また通常の便秘薬を飲まれても
腸を刺激して余計に緊張させるだけで
気持ちよく便が出るようになることはありません。
むしろ、こんなときは
牛乳にハチミツなどの甘いものを加えて
暖かくしたものを飲まれたほうが、
緊張も緩み便も軟らかくなりますから効果的でしょう。

一般に冷たい水が効く便秘は
腸の動きが鈍くなっている弛緩性の場合で、
便がバナナのような丸い棒の形状をしています。
また、頑固な便秘や便に血が混じる場合、
腸の中にポリープやガンが
発生していることも考えられ検査が必要になります。


←前回記事へ 2003年7月29日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ