虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第115回
「貧血読本」 その1

赤血球の主な働きは、
肺から受け取った酸素を
身体の隅々にまで運搬することです。
また、貧血とは、
赤血球の数が減少したり
赤血球自体の酸素の運搬能力
(ヘモグロビンの機能)
が低下した状態を主に指しています。

貧血の原因としては
女性に多い鉄欠乏性の貧血のほかに、
胃や腸の潰瘍・ポリープ・ガン、
子宮筋腫・妊娠・痔など消化器系や
内臓の出血によるものが考えられますが、
抗ガン剤や放射線の副作用や
胃の摘出手術でも
貧血の症状は現れることがあります。

例えば、抗ガン剤や
放射線はガン細胞だけでなく
正常な細胞にもいろいろな影響を与えますが、
血液を造る骨髄の細胞は
特にその影響を受けやすいため
赤血球や白血球を造る能力がすぐに低下してしまいます。

※通常の場合、赤血球は
  約4か月ぐらいの寿命があるので、
  抗ガン剤や放射線の治療を始めても
  すぐに貧血の症状が出ることはあまりありません。
  症状が現れるのは、治療開始後
  大体1〜2週間してからのことが多いとされています。

また、胃ガンや胃潰瘍で
胃を全部切り取ってしまうと
ビタミンB12が吸収できず貧血になりますが、
その理由はビタミンB12が
赤血球を造るために絶対に欠かせないことと
その吸収に胃から分泌される
特殊なタンパク質の助けが必要だからです。

※ビタミンB12は
  ある程度肝臓に貯えられているため、
  ビタミンB12不足による貧血の症状が現れるのは
  胃の切除をしてからおよそ3〜4年後といわれています。


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