虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第129回
「男と女」

女性が男性に比べて
膀胱炎を起こしやすいのは、
尿道が男性に比べて短く
雑菌が侵入して繁殖しやすいという
身体の構造上の違いが、理由にあります。

主な症状としては、
尿が近い・尿がスムーズに出ない・
排尿時に痛む・残尿感がある・
排尿後の下腹部の不快感などですが、
高熱が出たり血尿が混じったりすることもあります。
(注意:高熱が出たり尿に血液が混じる場合、
 他にも重大な病気が潜んでいる可能性がありますから、
 自己判断せずに専門医に診てもらうことが必要です。)

これらは、ほとんど
大腸菌などに感染して起こる症状ですが、
いくら尿検査をしても
細菌が発見されないことがあります。
そんな場合、西洋医学では
精神的なストレスや
自律神経失調症からくる症状とされがちで、
精神安定剤などが処方されることが多いものです。

しかし、中医学では、
尿検査で細菌が見つからなくても
症状に応じていろいろと対処する方法があります。

例えば、排尿時の痛みや
強い灼熱感とともに、イライラ・
不眠・口が渇くなどの症状がある場合は、
心の過剰な熱が
心のパートナーである小腸にまで移り
その周辺に影響を及ぼしたと考えられ、
黄連や蓮子心(熟す前のハスの実)などの
心の熱を冷ます作用のある
生薬が配合された漢方薬で治療してやります。

また、中年で体力のある人に多い、
尿がスムーズに出ずに痛んで
わき腹や下腹部が張るなどの症状がある場合は、
主にストレスなどで
肝が緊張し気の流れが悪くなって
障害を起こしたものと考えられますから、
柴胡や芍薬などの生薬が含まれた漢方薬で
肝の緊張を解きほぐしてやれば、
自然と楽になります。


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