虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第197回
「うす味」派のあなたに・・・

うす味と濃い味とでは、
うす味のほうが
身体に良いと思われていますが、
必ずしもそうばかりだとは限りません。

例えば、お味噌汁でも
薄い味付けのものを二杯飲むのと
倍の濃さのものを一杯飲むのでは
身体の中に入る塩分の量は同じになりますし、
甘さを控えたお菓子を2つ食べるのと
甘いお菓子を1つ食べるのとでは
砂糖の分量は大体同じぐらいになるはずです。

日本人は一般に人の話を信じやすく
余り疑わないという民族性があるそうですが、
疑わないということは
自分の頭であまり考えない
ということにもつながります。

私のところにも
いろいろな方が相談に来られますが、
「漢方薬さえ飲めば、
 どんな病気でもたちどころに治る」
と単純に思っておられる場合も多いものです。

本来、病気には高血圧や
糖尿病などの生活習慣病のように、
毎日の生活に原因があるものがあります。
あまり厳しい節制は必要ではありませんが、
多少は生活の仕方を考えなければいけません。

例えば、ヒザや腰が老化して
傷んで痛みが出てきた場合などでは、
なるべくそれらの部分を休めてあげるべきなのに、
散歩やジョッキングで鍛えようとして
反対に状態を悪化させてしまう方もおられます。
同じ症状でも、原因によって
養生の仕方が正反対のことはよくあります。

日本のように平均寿命が高い国では、
薬ばかりに頼らずに
身体をいたわる工夫をすることも大切です。
いつまでも痛み止めや湿布などで
痛みをごまかして
ヒザや腰を酷使し続けていると、
最後には歩けなくなったり
寝たきりの状態になってしまう恐れがあります。


←前回記事へ 2004年4月29日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ