虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第203回
「時代は変わる!」

ガンが患者を死に至らしめるのは、
ほとんどの場合が転移によるものです。
転移したガン細胞が
脳や肺・肝臓・骨などの
重要な部分に転移増殖して
致命的なダメージを身体に与えます。

もし、ガン細胞が転移せずに
局所的な部分にとどまっていれば、
いくら大きくなったとしても
それほど怖い病気ではありません。

また、抗ガン剤や放射線などで
ガン細胞が縮小したという話もよく聞きますが、
いくら腫瘍自体が小さくなっても
転移を防がなくてはいずれ大事に至ります。

しかし、転移に関する研究は
大変に手間がかかり複雑で
国などからの助成金も下りにくいため、
ほとんどの研究者は研究のテーマには選びません。
新薬の承認でも同様に、
ガン細胞を縮小する薬のほうが
臨床試験も行ないやすく
認可もされやすいため、
製薬会社もそちらのほうに力を注いでいます。

しかし、よく考えてみれば、
現在のように外科手術が
比較的安全に行なえる時代では、
ガンが患者を死に至らしめる原因の多くは
ガン細胞が転移するためであって、
腫瘍が大きくなることではありません。

極端な言い方をすれば、
転移さえしなければ
ガンはイボやポリープと同じようなものです。
別に放って置いても構わないし、
大きくなって邪魔になれば
切り取ってしまえばよいだけの話です。

これまで30年間、
間違いないとアメリカで思われてきた
ガンに対する研究は、
腫瘍を小さくすることから
転移を防ぐことへと
どうやら変わりつつあります。


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