虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第238回
健康食品の原価率は、10%以下?

健康食品や漢方薬に使われる
天然の原料には、
捨ててもいいような品質の
最低の等級のものから
品質が最高であるだけでなく
形までりっぱな特上品に至るまで
数多くのグレードがあり、
ものによっては
価格の10倍以上の開きが出ることもあります。

また、マツタケやカニなどと同様に、
産地によっても
品質にかなりのバラツキが生じます。
健康食品や漢方薬で
価格や品質に差が出るのには、
主にこうした理由があるからです。

しかし、健康食品には
根拠がなくても高くすれば売れるという
奇妙で不思議な現象があります。
5,000円でも売れなかった
商品のパッケージを豪華なものにして、
中身は変えずに
価格を10倍の50,000円にしたら
飛ぶように売れ出したという
有名なキノコの健康食品の例も
現実に存在します。

通常の場合、
どんな種類の商品でも
価格が安ければ品質は落ちますし、
それなりの品質のものを選べば
それ相当の価格にはなってしまうものですが、
健康食品の市場では、
普通なら決して
そんな値段がつくはずのない商品が
豪華で重厚なパッケージに身を包んで
とんでもない価格で
平然と販売されているケースが
このところ急増しています。

また、本来なら
廃棄処分にすべき品質のものを
安く大量に買い付け、
低価格品として流通させて
儲けている悪徳業者もあります。
健康食品の購入で損をしないためにも、
これからは商品の相場を
ある程度知っておかねばならない時代と言えます。


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