| 第251回「にがり」が主成分の温泉?
 【苦味泉】硫酸イオンが主成分の温泉です。
 芒硝(ぼうしょう)泉・石膏泉・
 正苦味(せいくみ)泉の3種類に分類され、
 舐めると苦く、収れん作用があるため、
 すり傷やケガなどの症状に効果があります。
 現在、「にがり」が大ブームになっていますが、この温泉の成分は
 簡単に言えばにがりのようなものです。
 飲用すると胆汁の分泌が促進されて、
 腸のぜん動運動が盛んになるところから
 胆石や肝臓病、便秘、
 肥満症にも効果があるとされていますが、
 過大な期待は禁物です。
 あくまで、効果的な薬がなかった
 ひと昔前の効能程度に
 割り引いて考えることが必要だと思います。
 【適応症】神経痛・関節痛・高血圧・動脈硬化・
 切り傷・やけど・皮膚病など。
 (硫酸イオンには血管を拡張して
 血液の流れをよくする作用があるため、
 高血圧や動脈硬化などの適応症があります。)
 ●芒硝泉(ナトリウム硫酸塩泉)「傷の湯」「中風の湯」などとも呼ばれています。
 弘法大師が発見したという伝説のある
 群馬県の法師温泉、北陸の名湯 山中温泉が
 この泉質の代表的な温泉です。
 ●石膏泉(カルシウム硫酸塩泉)カルシウムには鎮静・消炎作用があるため、
 飲用すると、じんま疹や
 慢性の湿しんなどに効くと言われています。
 将棋の駒の製造で名高い
 山形県の天童市の天童温泉、
 麻を蒸したところからその名がついた
 青森県の浅虫(あさむし)温泉が有名です。
 ●正苦味泉(マグネシウム硫酸塩泉)マグネシウムを含んだ温泉で、
 日本にはめずらしい泉質の一つです。
 効能は芒硝泉や石膏泉と同様ですが、
 脳卒中後遺症の改善にとくによいとされ、
 「脳卒中の湯」などと呼ばれていたりします。
 通年営業の温泉として、日本一標高の高い
 岐阜県の濁河(にごりご)温泉が
 この泉質に該当します。
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