虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第257回
肝臓にガンの転移が多いのは・・・

西洋医学には、
正常な細胞がガン細胞に変化するのは
分裂する場合だという考えが前提にあります。
そのため、小児になるまでに
必要な分裂を終える神経細胞や
心臓の筋肉をつくっている心筋細胞が
ガン化することは、成人では
まずほとんどないとされています。
 
また、成人の肝臓の細胞の場合、
通常では分裂を起こしませんが、
必要に応じて分裂を始めることができます。
そのため、肝臓移植などで
肝臓を半分以上切り取って人に与えても、
トカゲの尻尾のように
元通りの状態に再生することが可能です。
しかし、見方を変えれば、
このことは同時に
肝臓の細胞がガンに変化しやすい
ということを示しています。

現在のところ、
日本人が多く罹患するガンは
胃ガンや肺ガン、大腸ガンですが、
その原因には放射線や紫外線、
食べ物、発ガン物質、環境汚染など
外的な要因の影響がかなり関係しています。
しかし、そうした外的要因や
遺伝的要素を除外して
ガンになりやすい部位の調査をしたら、
肝臓がトップになる可能性が
やはり非常に高いように思われます。

また、「肝腎要め」とか「肝心要め」と言うように、
肝臓は五臓六腑の中心でもあります。
ですから、中医学的な見方をすれば、
他の臓器に発生したガンが転移を起こした場合、
肝臓がその対象になることが多いのは
極めて当然のことなのかも知れません。


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