虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第271回
ガンの早期発見などと言いますが・・・

毎日、3000〜5000個程度のガン細胞が、
私たちの体内で発生していると言われています。
どうして、それだけ多くのガン細胞が
発生しても大丈夫なのかと言いますと、
私たちの身体の中に備わっている
「免疫」「自然治癒力」の仕組みが、
それらのガン細胞をすぐに発見して
異物として排除してくれているからです。

しかし、免疫の仕組みは、
生物が恒温動物になってから
初めて獲得したシステムで、
まだそれほど完全なものではないために、
時々、リウマチや膠原病、
アトピー性皮膚炎、花粉症などの
免疫の不具合を引き起こしたりします。

また、免疫の働きは
20才前後をピークにして
急激に低下していきますが、
自然治癒力のほうは
あまり急激には衰えてこないため、
20代や30代でガンに罹る人の割り合いは
それほど高いものにはなりません。

しかし、自然治癒力が
何らかの原因で低下していた場合、
異物を排除する機能が
あまりうまく働いてくれないために、
ガン細胞の成長を抑え込むことができず、
10年から20年ほどで
直径数ミリから1センチ程度の
診断可能な大きさのガンになってしまいます。
これが、30代後半から40代中頃にかけて、
ガンに罹る人の割り合いが
徐々に増加してくる大きな原因の一つです。

※ガンの早期発見などと言いますが、
  実際のところは、ガンが診断可能な
  直径数ミリから1センチ程度の大きさに成長して
  漸く発見されたというべき性質のものです。
  つまり極端なことを言えば、
  ガンは私たちの身体の中に常に存在しており、
  健康とはガン細胞の発生と
  それを抑える免疫力と自然治癒力の
  均衡の上に成り立っているものとも言えます。


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