虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第281回
漢方=漢方薬ではありません!

一般に日本では、漢方とは
漢方薬を飲むという意味合いで
使われる場合がほとんどのようです。
しかし実は、漢方とは
漢方薬を飲むという行為だけを
指す言葉ではなく、
長い間の経験によって導きだされた
ある種の治療体系全体を指している言葉なのです。

ですから、漢方の中には漢方薬のほかに
鍼とかお灸などの治療法もありますし、
食事や生活の仕方によって
病気を改善する養生法の知恵もあります。
つまり、漢方薬を使わない
漢方の治療法がいろいろあるというわけです。

また、薬剤師という職業も
現在の日本では、薬を販売したり
処方せんの薬を調剤する職業というふうに
一般の方たちには思われているようですが、
それは薬剤師に求められるべき
職能のほんの一部にしかすぎません。

昔のように、薬自体の効き目も弱く
種類も少なかった時代には、
そういった仕事だけでもよかったのですが、
現在のように、薬自体の効き目も強くなって
種類もたいへん増加してきている状況では、
薬の販売や処方せんの薬の調剤よりも
薬の飲み合わせ、相互作用についての
知識のほうがより大切な問題になってきています。

つまり、言い換えれば、
使用する薬の量や種類を減らし
副作用の発生の可能性をできるだけ少なくし、
なお且つ、治療の効果や
治療の質を上げることができるかが、
これからの薬剤師の
重要な仕事だということが言えます。


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