虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第302回
「これが、おとその正しい飲み方」

三国志演義に確か、
華陀(かだ)という名医が
関羽を麻酔なしで切開手術する場面が
あったように記憶していますが、
その名医の華陀が
十数種類の薬草を調合して、
酒に浸して飲んだのが
「お屠蘇(とそ)」の始まりといわれています。

また、お屠蘇という名前の由来について
有名な三つの通説を紹介いたしますと、

一つめは、
「屠蘇庵」という庵(いおり)の主が、
自分で作ったお酒を常用して
三百歳まで長生きしたという伝説。

二つめは、屠は屠殺(とさつ)の屠、
すなわちやっつけるという意味、
また、蘇は鬼を表わす言葉。
つまり、屠蘇は節分(せつぶん)の豆のような、
鬼を退治するニュアンスから
名づけられたという説。

三つめは、屠蘇は邪気を屠(ほふ)り、
人の魂を蘇(よみがえ)らせる。
当時、恐れられていた
疫病の予防を意味しているという説があります。

一般的に、お屠蘇の中に
調合されている薬草の種類をみると
大体、胃腸の働きを整えたり、
のどや気管支を保護したり、
血行をよくするものが中心になっており、
身体を暖めて免疫力を高めてくれます。

ですから、通説の中で
一番、中医学的に納得できるのは、、
三つめの疫病の予防を意味するという説です。
飲み方は、元気な気を贈るという意味で、
通常、年少者から年長者の順に盃をすすめます。


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