虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第313回
毒のないトラフグの味は?

カキやハマグリなどの二枚貝は
大量の海水を体内に取り込んで、
プランクトンなどのエサだけを濾過吸収し生きています。
同様に、海水中のノロウイルスも
プランクトンのように
二枚貝の体内に取り込まれ体内濃縮されます。

通常、このようなノロウイルスの濃縮は
他のいろいろな二枚貝でも起こっているのですが、
ノロウイルスは熱に非常に弱いため、
十分に加熱調理さえすれば
食中毒が起こる危険性はほとんどありません。

私たちが二枚貝を生の形で食べるのは、
ほとんどが寒い季節のカキに限られております。
それが、ノロウイルスによる
カキの食中毒が冬場に多い最大の原因です。

また、トラフグなど河豚の仲間に毒があることは
誰でも知っていることですが、
最近の研究によれば
毒もはじめから河豚の体内に存在するのではなく、
ある種のエサを河豚が食べ続けることによって
そのエサに含まれている毒が
体内で濃縮されてゆき、
強い毒性を示すようになるのだそうです。

ですから、
そうした種類のエサを
河豚が食べないような
養殖の方法が開発されれば、
そのうち毒のないトラフグが
市場に出てくるようになるでしょう。
しかし、毒のないトラフグの味が、
毒のあるトラフグと比べて
味が変わらないかといいますと、
そんなことはおそらくないと思います。

なぜなら、漢方の食養生では、
現在の食べているものが
半年後の自分たちの身体を作る
というふうに考えられているからです。
つまり、食べ物の種類によって
体質も変わるということです。


←前回記事へ 2005年1月25日(火) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ