虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第340回
「人間の証明」

痔は、腰痛と同様に、
人間が2本足で
歩行するようになった結果
生まれた、人間に特有の病気です。

牛や馬、羊など4本足の動物が、
痔や腰痛に掛かることはまずありません。
なぜなら、上半身も下半身も
同じような高さの位置にあるため、
肛門部が圧迫されたり
腰に全体重が架かることがないからです。

つまり、人間は2本足で歩いて
手を使うことができるように進化しましたが、
同時に、いくつかの肉体的負担を
背負わなければならなくなったともいえます。

しかし、何といっても
人間が痔にかかりやすいのは、
身体的構造に1つの大きな欠陥があるからです。

通常の場合、人間の静脈には
血液の逆流を防ぐための弁が付いていますが、
肝臓から下の肛門部周辺の
静脈の血管には、どういうわけか
逆流を防ぐはずの弁が付いておりません。

そのため、血液は逆流しやすく、
滞留した状態が絶えず発生しています。
この鬱血が血管の腫脹を招き、
外痔核や内痔核、裂肛、脱肛など
いわゆる痔の状態を引き起こしてしまうのです。

つまり、煎じ詰めれば、
痔の根本的原因は
血液の流れの停滞にあるわけで、
いくら外用剤の軟膏や坐薬を使っても、
それは対症療法にしか過ぎず
根本的な解決には至らないということなのです。


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