虎ノ門漢方堂店主・城戸克治さんの
やさしい漢方の話

第359回
「蒙を啓(ひら)く」

脂肪やコレステロールという
いくつかの例外はありますが、
日本人はどういうわけか、
過剰なものより不足しているものに
神経質になる傾向がどうもあるようです。

ここ数年来、テレビの健康番組、
雑誌・チラシなどに掲載されている
健康食品やサプリメントの広告を見ても、
「○○○は年齢とともに身体から減少し
 何々の弊害が生まれるので、
 補給しなければならない」などといった、
不足を強調した表現が
やけに多く目につきます。
しかし、現代の日本は
肥満、糖尿病、高脂血症など、
不足より過剰症に
注意しなければならない病気のほうが
遥かに増加してきています。

落ち着いて考えれば分かることですが、
年齢とともに人間の生産能力は
だんだんと低下していきます。
つまり、身体に必要な成分が
徐々に減少していくのはある意味
至極、当然の結果といえるのです。
それにも関わらず、
自然に減少していくものを
過剰に補給してしまった場合の弊害が
問題にされることは、まずありません。
理由は、“お金儲け”に直結しないからです。

しかし、企業のお金儲けにはならなくても、
老化に伴い自然に減少するものには
妊婦が貧血になるような必然性が
何か隠されている気が、私には致します。

例えば現在、
大きなブームになっている
CoQ10の主な働きに
エネルギー産生という項目がありますが、
エネルギーを産生するということは
活性酸素を生成することでもあるのです。
つまり、年齢とともにCoQ10が減少するのは、
活性酸素の害から
免疫力が衰えた身体を守るための
人体に備わった防衛手段なのかも知れません。

※CoQ10は、ユビデカレノンという名前で
  30年以上も前から
  日本の薬価基準に収載されている
  医療用医薬品です。
  適応症は、基礎治療施行中の軽度及び
  中等度のうっ血性心不全、
  消化器系統や過敏症の副作用もあります。


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