株を買って勉強する
いまのところ、私はそう思っているが、世の中の動きは必ずしも私の思っているとおりに動いてくれないかもしれない。六月まではたぶん、戻り足にならないと思うが、「株価には先見性がある」から、三月頃にはもう株価が先行するということもないとは言えない。もしそうだとしたら、予想外の発展に備えて、先に手を打っておく必要もある。
たとえば、富士通、日本電気、キャノン、日本光学といった銘柄は、私のこの次の注目銘柄に数えられる。株価が下げに転ずる前から、私は株価が安くなるだろうと予測していたが、それでも株は買った。どうして買ったかというと、たとえ千株、二千株でも株を持っていたら、新聞をひらいたときには、目がついその株のところにいって、株価がいまいくらになったか気をつけるが、もし株を全然持っていないと、ほとんど見逃してしまうからである。
また、まだこの先、下値があると思っても、実際には途中で戻り足になってそのまま一株も買わないまま上値を追うこともあり得るからである。要するに、どの株か、に目をつけたら、少々損をしようとどうしようと、その株に唾をつけておくべきだし、その株を買う場合も、一定時間をかけて何回もナンピンをかけながら、買っていくべきものだ、と現在の私は考えている。
しかし、もちろん、そういう考え方になるまでには、株歴もかさねているし、歴戦の傷跡も残っている。
オープン型投信の尻馬に乗ろうとして、途中で下りて損をした話は前に述べたとおりだが、日本陶器の株を買ったり、キッコーマンの株を買ったりする代わりに、トヨタ自動車や、やがて道路建設株に乗り移っていったことは、長期的に見て決して間違いではなかった。したがって、小汀利得氏の意見にも耳を傾けるべき面はあった。
ただ、私は既存の権威にはあまり興味を持たなかったので、たとえば、同じ表通りの産業でも、製鉄とか造船のようなすでに評価の定まった企業には魅力を感じなかった。その代わりに、私が注目したのはトヨタ自動車であった。
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