温泉で元気・小暮淳

温泉ライターが取材で拾った
ほっこり心が温まる湯浴み話

第5回
温泉は鮮度が命

最近は、企業や自治体などから
講演やセミナーの講師として招かれることが多くなりました。
もちろん、講義のテーマは温泉です。

講話の最後には、必ず聴講者との質疑応答の時間があります。
その内容はさまざまなのですが、
一番多い質問が「いい温泉の選び方」です。
なかには、そのものズバリ
「一番いい温泉を教えてください」という人もいます。

そんなとき私は、ラーメンに例えて、こんな話をします。
「みなさんは、一番おいしいラーメン屋はどこですか?
と聞かれたら、なんと答えますか?」
と。

“おいしい”とは、その人の主観です。
スープだけでも、しょう油味なのか、味噌味なのか、
塩味なのか、トンコツなのか分かれます。
さらに細麺、太麺、ちじれ麺と麺にも好みがあります。
おいしい基準は、人それぞれなのです。

温泉も同じです。
サラリとした単純温泉、香り豊かな硫黄泉、
サイダーのような泡の付く二酸化炭素泉、
こっくりとにごった含鉄泉など、
好きになる温泉の種類は人それぞれです。

でも、おいしいラーメンと、いい温泉には、
1つだけ共通していることがあります。
それは、「鮮度」です!

どんなに腕の良いラーメン屋でも、
作りたてのラーメンを出さなければ、
味が死んでしまいます。
温泉も同じで、湧き立ての湯に入れる温泉が、
最高にいい温泉なのです。

温泉は、地上に出た瞬間から劣化が始まります。
空気に触れ、酸化が始まり、時間の経過とともに老化していきます。
また外気に触れた瞬間から、温度の低下も始まります。

ですから、
より早く、より短い距離で
浴槽に湯を流し入れた温泉が一番いい温泉

ということになります。

せび今度、温泉旅館に行ったら、
宿の人に「源泉の湧出地はどこですか?」と訪ねてみてください。
湯に自信のある宿ほど、丁寧に教えてくれるはずです。


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2011年12月14日(水)

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