温泉で元気・小暮淳

温泉ライターが取材で拾った
ほっこり心が温まる湯浴み話

第31回
自分の好きな温泉探し

私は、NHK文化センター前橋支社が主催する
温泉講座の講師をしています。
早いもので、今年度の講座で4年目を迎えます。

この講座は、毎月第4火曜日に
JR前橋駅と高崎駅からバスを出して、
私が選んだ群馬県内の温泉地を日帰りでめぐっています。

「講座では、どんなことを教えているのですか?」
と聞かれることがありますが、大した事は話していません。
そもそも温泉は、学ぶものではなく、楽しむものですから。
歴史がどうの、泉質がどうの、
効能がどうのという話は最小限にして、
“いかにして温泉を楽しむか!”について
受講生たちと一緒に話し合い、体験するようにしています。

たとえば、
「今日の温泉は、男性的な湯でしたか?
女性的な湯でしたか?」と、
湯の浴感について話し合います。
「筋肉質の男に羽交い締めされているようだった」とか、
「絹の衣を身にまとっているようだった」とか、
その人の主観を大切にするようにしています。

それは、なぜか?
この主観に、私が講座の講師を引き受けた
一番の理由があるからです。
ひと言でいうならば、
“自分の好きな温泉探し”のお手伝いをしたいのです。

今の時代、何もかもが情報に左右されています。
「どうせ行くなら、いい温泉に行きたい」
という気持ちは分かるのですが、せめて私の講座では
“いい温泉”というカテゴリーから抜け出して、
1つでも多くの“好きな温泉”に出合ってほしいのです。

「この間の温泉が気に入っちゃって、
あれからまた家族を連れて行ってきましたよ」
そんな受講生からの話を聞くと、
「ああ、この講座の講師をやっていて良かった」と
冥利に尽きるのであります。

来月から新講座が開講します。
今年度も、魅力ある温泉をラインナップしました。
今から受講生たちと温泉に入れる日を、楽しみにしています。


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2012年3月14日(水)

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