|   第72回 
          死にたくなったら温泉に入ろう! 
        警視庁の統計によれば、日本では年間の自殺者が、 
          14年連続で3万人を超えているそうです。 
          これはもう、毎年、日本国内で戦争が起こっているようなもの。 
        ただただ、この数字に驚くばかりです。 
        今年、内閣府が発表した「自殺対策に関する意識調査」では、 
          成人男女の23・4%が「自殺したいと思ったことがある」 
          と回答し、年代別では20代が28・4%で 
          最も多かったといいます。 
          この数字にも、驚きを隠せません。 
          若い人が「死にたい」と思ってしまう国って、どんな国ですか? 
        内閣府では、自殺願望の理由を次のように分析しています。 
          ●不況に伴う就職難 
          ●非正規雇用者の増加 
          ●希薄な人間関係 
          が影響しているのではないかと。 
          常にフリーランスという不安定な環境で生きてきた私に言わせれば、 
          どれも死ぬ理由に値しないように思うのですが。 
        そこで、私が以前から自殺防止にと推進しているのが 
          “心の湯治”のすすめです。 
          そうです。温泉に入れば体だけでなく、 
          心まで健康になれるということです。 
          温泉に入ったとき、誰もが「ああ、極楽だ〜」と 
          感嘆の声をもらします。 
          この極楽を感じている状態で、人は自殺なんて考えません。 
        昔から心の病を治す効能をうたっている温泉もあります。 
          特に「ぬる湯」と呼ばれる温度の低い(40度以下)温泉には、 
          精神の鎮静作用が高いと言われています。 
          これは、ぬるい湯に長時間入ることにより、血行が良くなり、 
          老廃物や疲労物質が排出されるためです。 
        実際に、ぬる湯の湯治場へ行ってみると、 
          古い温泉分析表の効能欄に「不眠症」「神経衰弱」 
          「ヒステリー」「うつ病」などが記されています。 
          なかには「つきもの」と書かれた温泉もあります。 
        23・4%の自殺願望のみなさん! 
          今度「死にたい」と思ったら私にだまされたと思って、 
          すぐに温泉へ行ってください。 
          「ああ、極楽だ〜」と思った瞬間に、 
        死ぬことがバカらしくなるかもしれませんよ。 
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