お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南

第16回
サイドビジネスでお金を儲けようと考えないほうがいい

たしかに、サイドビジネスをすれば、
給料以外のお金ははいります。
でも、それが将来に結びつくかどうかは別問題です。
サイドビジネスでお金が儲かるようになると
職場の周囲の人とのバランスがくずれてきて、
会社にいたたまれなくなるんですね。

まず知名度が高くなる。
収入もふえる。
会社に電話がじゃんじゃんかかってくる。
ほかの人は、何となくおもしろくないんです。
あいつは、何か書いているようだけれど、
会社の仕事をおっぽり出して、小説を書いてるんじゃないか。
こう思われるようになると、 もう、その会社にはいられません。

源氏鶏太さんは住友系の会社に勤めていましたが、
『英語屋さん』で直木賞をもとうと、
中間小説雑誌からつぎつぎと注文をもらうようになりました。
むかしは、芥川賞や直木賞をもらっても、
いまとちがって急に有名になったりはしなかったんです。
源氏さんの場合は、”サラリーマン作家”ということで、
新聞や週刊誌にいろいろとりあげられたんです。

源氏さんは、昼間は会社の仕事をちゃんとこなして、
原稿は家へ帰ってから書いていたんですが、注文がふえてくると、
どうしても睡眠不足になる。
仕事をしていてもつウトウトするし、疲れているから、
通勤の行き帰りに電車になんか乗っていられなくなって、
往復、タクシーに乗るんです。
タクシー代だけで月に三万円にもなって、
月給より高かったんです。
同僚は、なんだあいつと思うようになるし、
結局、周囲とのバランスがくずれて、やめざるをえなくなったわけです。

サイドビジネスの小説が直木賞をもらったりするのは特殊なケースでしょうが、
サイドビジネスによってバランスがくずれたら、
もうダメです。
ニ足のわらじは、はけなくなる。
かといって、バランスがくずれないような仕事というのは、
だいたいろくなものでないことが多い。
私だってうちの社員が、
夜キャバレーでアルバイトしているとわかったら、
やめてもらおうかと思います。





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2015年9月14日(月)

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