お金の貯まる人はここが違う

お金との"付き合い方"指南

第104
金銭的に独り立ちできない若者がふえている

最近は一人っ子がひじょうに多くなっています。
その結果、子どものわがままを容認する親がふえ、
同時に子ども一人当たりの教育費が相当な金額になっているようです。
子育てほど、親にとってわりの合わないものはありません。
そろばんで損得勘定をはじくとしたら、
いまの時代は子どもを育てても、ちっとも得なことはない。
それでも子どもを生み育てるのは、子育てがもともと、
金儲けを度外視したものだからでしょう。

子どもに家あるいは家業を継いでほしいと思うのは、
いつの時代にも変わらない親心です。
むかしにくらべればずいぶん少なくなりましたが、
自分が死んだ後のことをいろいろ考えると、
やはり跡継ぎがいたほうが安心だ。
でもそんなに多くはいらない子どもは
一人か二人という家庭が圧倒的に多くなったんですね。
しかし、もともと子どもを経済的動機によって
育てているわけではありませんから、
経済的にしっかり訓練する親は少ないんです。
最近はますますその傾向が強くなっています。

むかしのように子どもの数が多ければ、
親の訓練は十分には行き届かないけれども、
子どもたちはそれぞれが自分のことは自分でやるという精神で育ちます。
それが一人っ子になると、どうしても温室育ちになる。
「可愛い子どものために」と親のほうが何でもやってしまうから、
子どもはなかなか一人まえになれない。
それでいて親というのは、
子どもに一日でも早く独り立ちできるような人間になってもらいたい
という願望を強く持っているものです。

世間の親を見ていると自分の子どもに対して、
「自分のような苦労を味わわせたくない」という気持と、
「少女苦労をさせなければ一人まえになれない」
という気持が同居しているようです。
お互いに矛盾した願いを持っているのだから、
子どものほうだってたいへんです。
現代っ子というのは、親が考えているよりも、
案外、世の中の動きを見ています。金銭万能と思い込んでいる子も多い。
この「お金がいちばんたいせつ」という感覚は、
かならずしも経済感覚と同じものではありません。
経済感覚とは、お金に対する人間の欲望をコントロールする感覚です。
親は、子どもに小づかいの使い方を通じて
経済感覚を教え込まなければならないのですが、
こと、志と違ってむやみやたらにお金を与えて、
ますます子どもの金銭感覚をマヒさせたりします。

欲望のコントロールとは、ほしいものを何でも与えることではなくて、
欲望を充足する手段とうまくバランスをとらせることです。
一つのものを手に入れれば、他のものは犠牲にしなければなりません。
何を犠牲にし、何をとるかを選択することが、
お金の上手な使い方に通じます。
小づかいの使い方を通じてそういう選択を教え込むことが金銭教育です。
もっとも、親に経済観念がなければ、
子どもに経済観念とは何かを教えるのは、やっぱりむずかしいでしょうね。





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2016年4月6日(水

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