元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第227回
キッチンは「命の薬局」です

さて、台所の「万能薬」といったら、
まえに桑井いねさんの
「おばあさんの知恵袋」でも紹介した梅干です。
僕たちが開いている「スローヘルス懇親会」の
山村慎一郎さんの講演でも
いつも梅干の効用話がメインとなります。

梅の語源は中国の「ウーメ」から「うめ」になったといわれます。
「u(見たこともない)me(貴重な)」と言う意味で、
まさに梅干は命を守る万能薬だったわけです。
また「熟む実」がなまって「うめ」になったともいわれています。
梅の酸味は有機酸のクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、
オレアノール酸によるものですが、
腸の中で、抗菌作用を発揮して、
食中毒菌も阻止すると言われています。
また、肉やファーストフードの過食で腸内が異常発酵し、
毒性酸化起こす可能性が最近、多々ありますから、
梅干しの効用はバカにしてはなりません。

まえにも書きましたが、
ぼくの家では食卓に必ず、梅干しの詰めビンが常備され、
朝から一つ、二つといただいています。
もし、下痢や食あたり、体の変調を起こしたら、
梅肉エキスを作るか、買って来て食べるようにしています。
梅肉エキスは青梅をすりおろし、
濾した汁を煮詰めて飴状にしたドロドロのエキスです。

さあ、このコラムで紹介してきた梅干から蓮根まで、
本来、台所は「命の薬局」だったわけです。
まさにおばあちゃんの知恵こそが、
この食の危機、命の危機の時代に、
見直されるべきスローヘルスの原点でしょう。
輸入加工食品によるファーストフードに頼りっきりの生活を、
そろそろ改めませんか?

最近、やっと見直されてきた
スローフードやスローライフ、つまりスローヘルスの原点が
「おばあちゃんの手作り梅干」や
「キッチンは命の薬局」といった発想にあるわけです。
最近、テレビを賑わしている、
戦争好きで頭の切れたような?政治家たちは
ファーストフードにまみれた子供たちと同じで、
きっと肉食やアイスクリーム、化学添加物食品の
過食偏食が過ぎているのではないか?
そう心配したくもなります。
また、本が売れない売れないと嘆いている編集者もしかりでしょう。
みずからの悪食ライフを改めて、
発想をしなやかに変えてみるべきです。
「スローヘルス」な本や企画を多くの読者に提供すべき…
そうした時代が来ていると僕は思っています。


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2003年4月11日(金)

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