元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第296回
養生の合間に仕事をしよう

僕のマスコミ界の大先輩に小石原昭さんという、
まるで大入道のような風貌のジャーナリストがおられます。
知性アイデアセンターという情報企画集団の社長で、
もう70代半ばですが、顔艶ピカピカ、
いつも大音声で話す豪放磊落な人です。

まえに拙著「しなやかな玄米菜食」
出版記念パーティに駆けつけてくれたときのことは書きましたが、
この社長の養生訓がふるっているのです。
「大抵の社長は仕事の合間に養生を考えているが、
僕は養生の合間に仕事をしているんです。
あっハッハッ」と答えます。

若干27歳のときに河出書房の発行する
「知性」という総合月刊誌の編集長になって以来、
マスコミの最前線で激しい仕事をして続けているわけですが、
大病にかかって入院したことがないのです。
たしかに気が付くと、
ガン養生で有名な秋田の玉川温泉で
のんびり過ごしていたり、
伊豆の温泉で半断食道場にいたりする。
なんと温泉巡りの往復の新幹線のグリーン席を4席確保して、
対談などを軽くこなしているというのですから、
たしかに「養生の合間に」仕事をしている。
この不況でもストレスはまるで溜まらないというわけです。

経営者とは、なかなか仕事から手を離せないもので、
僕の知合いの60歳、70歳の社長で、
過労と金策のストレスでガンになったというのに、
大学病院の抗ガン剤を打ちながら、
肝臓が痛い、骨が痛いといいながら、
社業にしがみついていた人がたくさんいます。

抗ガン剤の副作用は免疫力を下げるだけでなく、
神経を逆撫でする疼痛がストレスを倍加しますから、
みるみる骨や肺や脳といった生命維持装置にガンが転移して、
2度と生還できなくなる。
後継ぎの息子さんも立派に育っているのですから、
会社がおかしくなったら…、
心身がストレスでやられたら…、
まず仕事を譲ることがこれからは先決でしょう。
「仕事第一ではなく養生第一」に転換できた人が、
大抵はしばらく休んで、また元気にやっています。


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2003年6月19日(木)

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