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         第355回 
          セクドクハラについて 
        ドクハラの提唱者・土屋繁裕医師のトータルケアの考えに賛同する 
          患者や家族がどんどん増えています。 
          名アナウンサー・逸見政孝さんが、 
          なんとも惨い胃ガンの拡張手術で亡くなられてから 
          10年たちますが、 
          奥さんの逸見晴恵さんも土屋医師に賛同する一人です。 
          その無念さを乗り越えて、 
          土屋医師とともにドクハラ治療撲滅について、 
          講演や評論活動をしておられます。 
          先日も「ストップ ザ ドクハラ」や 
          「ガン患者よ、ドクハラと闘おう!」と同じ時期に、 
          逸見さんも「黙っているのもうやめた」(日本医療情報出版) 
          というエッセイ集を出版しました。 
        日野原重明、森喜朗、向井亜紀、加藤登紀子、小椋佳といった、 
          ガン治療や闘病体験者との対談をまとめたものですが、 
          はじめて自らの子宮軽頚ガンとの闘病についても語っております。 
          3キロの臓器を摘出するという、 
          無謀な3度目の手術で正孝氏は命を絶たれたわけですが、 
          そのショックとマスコミ攻勢のストレスが 
          嵩じたのではないでしょうか? 
          翌年、自らもガンの苦しみを味わうことになったわけですね。 
          でも、逸見晴恵さんはただ涙に暮れるのではなく、 
          二人の子供を抱える女性として、 
          自らの身を守るたしかな闘いを始めたのです。 
        この本を通して感動を覚えるのは、 
          無謀な治療、問答無用の手術に警鐘をならすだけでなく、 
          女性がいかに賢くガンと闘うか? 
          この視点を貫かれていることでしょう。 
          前に「男医優位」の医療制度が、 
          女性患者を苦しめると指摘する 
          女医さんの本について書きましたが、 
          逸見晴恵さんは「女性たちの悔し涙」という章で、 
          女性なら大抵の人が体験している産婦人科での 
          ドクハラの数々にメスをいれています。 
        子宮ガンの患者に「遊び過ぎじゃないの?」 
          「あんた汚い手でさわったでしょう」 
          出産の内診に来た女性に「39歳で産むの?」などと、 
          心無い言葉を吐くドクハラ医師があとをたたないというのです。 
          土屋医師も命名していますが、 
          こうした女性が蒙るドクハラは、まさにセクシュアルハラスメント、 
          セク・ドクハラの類でしょう。 
          あなたにもそうした悔しい思いはないでしょうか? 
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