元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第371回
「130年の強兵志向」を見直そう

ガンなどの慢性疾患ばかりか、
暴行虐待の少年犯罪から、はたまた老後の痴呆まで、
日本人全体に心身を「ゆるませる」「たるませる」
食事が多すぎるのではないか?
戦後の経済成長と共の堕落してしまった
「飽食日本」の弊害に警鐘を鳴らしてきました。
長い長い人生はいかに発想したら元気に楽しくすごせるのか?
いま長寿難病社会は、老若男女、世代を超えて、
しなやかなライフスタイル志向が増えています。

ところがどうでしょう?
政治、経済、教育、福祉、環境、医療そして食産業、
ともに明治130年以来続く、富国強兵、経済成長の幻影…
欧米追従式の「飽食体質」から抜け出せないわけです。
よく「戦後60年は終わった」と言う議論がありますが、
長寿難病時代に突入したいまは、
「明治130年が終わった」というもう少し長いモノサシで、
社会システムも個人のライフスタイルも
変えていくべき時期なのです。

話しが大仰になりますから、
日々の健康と治療、
そして食事について絞って考えて見てみましょう。
130年続く巷の欧米食礼賛しかり、
130年続いた大学病院の西洋医学一辺倒しかり、
これは知らず知らずの間に日本人全体に染みついた
経済成長・富国強兵志向の残滓なのです。

ズバリ、明治の富国強兵志向は、
戦場でいちはやく傷を治し、
細菌病をシャットアウトする、
ドイツ式の西洋医学を採用させました。
また、健康法にしても、
老若男女に一把ひとからげの「体力増強」の美徳を強いました。
食べ物も栄養滋養になるというので肉食、乳製品が礼賛され、
高カロリー志向の栄養学がもてはやされ、
食料輸入による産業立国が推進されました。
“米食=低脳論”までもてはやされた時期もあります。
その因果として引き起こされた、
ガン、糖尿病、アトピーといった慢性疾患を
切捨てご免の手術、検査漬け、薬漬けで攻めたてる…、
こうした医療システムが
戦後の高度経済成長と共に増幅したといったらよいでしょう。

「飽食」ゆえに、
これ以上、日本人の心がゆるみ、体がたるんでいくことは
ゆるされません。
この“心身の飽食病”を治療するはずの
近代130年の医療制度に警鐘がならされているのです。
あなたは長寿難病時代を薬漬け、
チューブまみれの不本意な余生で過ごして
いいものでしょうか?


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2003年9月2日(火)

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