元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第393回
長寿難病時代が人生観を変えていく

難しい生物学書など読んでる暇はない、
もし、あなたが自然科学はどうも苦手だという
頭脳の持ち主ならば、
そのまえにもう1冊、
興味深い“生命哲学書”を読んでみてください。
生命40億年の仕組みや発想が
じつにすらすらと頭に入るはずです。
「われわれはなぜ死ぬのか」(柳澤桂子著・草思社)
という興味深い生命科学の本です。

「死と老化の生物学」
(A・クラルスフェルド F・ルヴァ著/ 新思索社)
も触れている、
体細胞の自殺死(アポトーシス)についても、
鶏のトサカやオタマジャクシの尾の例証などで
分かりやすく解説していますが、
死生観については
「死を刑罰として受けとめるのではなく、
永遠の開放として受け止めよう」という、
いかにも生命科学者らしい考え方が展開されています。

さらに興味が出たらもう1冊
『癒されて生きる』(岩波書店)という
著書もおすすめです。
「宇宙の中での私は小さい、けれども それが私である以上、
私は最善の生を生きなければならない」と、
こちらは自ら原因不明の難病と闘う、
一人の患者としての確かな処世観を述べておられます。
きっと、あなたをスローへルスな癒しの世界に
導いてくれるはずです。

生とは? 死とは? 長寿とは? 
これからはますます、
数十億年にわたる“生命の大河”の仕組みが綿密に解明され、
生物学をはじめとする超科学が命の謎解きに挑戦するでしょうし、
再び宗教や哲学の役割を
凌駕していくことが起こりそうです。 
また、その結果が長寿難病社会の
僕たち一人一人の人生観にも影響してくる――
これからはそうした長寿情報社会ともなるわけです。


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2003年9月24日(水)

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