元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第409回
「手術の多い病院は良い病院」?

ドクハラ医師ばかりか、
ドクハラ病院の見抜き方についても、
考えておきましょう。

関根 よく、「手術の多い病院は良い病院」
    という記事を見ますが、
    これは病院選びの規準になりますか?

土屋 おかしいですよ。
    『週刊朝日』あたりが何度も特集やっています。

関根 読者の反響が大きいのでしょうね。

土屋 僕が『週刊金曜日』で
    『週刊朝日』の記事を名指しで批判したんだけど、
    その後で『週刊朝日』の記者が取材に来たのですよ。
    僕が「『週刊朝日』を名指しで批判したから、
    僕のは記事にならないのじゃないの」といったら
    「いや、外部の人間には意見をいってほしいですから」
    と度量のひろいところを見せていたけど(笑)

関根 でも、土屋医師の見解というか、コメントは載らなかった。
    先生のだけ外したのではないの。(笑)

土屋 理由はわかりませんが、その可能性はある(笑)

関根 先生のいうように、
    「手術の多い病院は良い病院」という考え方の根底には、
    厚生労働省の医療費の支払い問題から来ているのでしょう。

土屋 そう。厚生労働省が手術回数の多い病院に
    医療費支払を優先したことに追従した記事発想です。
    考え方はいろいろあってよいわけですが、
    病院サイドが出すデータを鵜呑みにして、なんでもかんでも、
    「良い病院」というのは問題でしょう。
    「良い病院」と断定する割りにはデータの裏の取り方が弱い。

関根 患者はどんな記事を信用したらよいのですかね。

土屋 「データで見る良い病院」というムックが
    毎日新聞社から出たことがあるのですが、
    これには興味深いデータが載っていますから、
    病院選びには役に立つと僕は思います。

    たとえば、膵臓ガン、食道ガンなど
    難しいガンの手術については
    大病院でもいかに手術の回数が少ないかがよくわかります。
    ガンの種類によって、もう少し詳しく分析すれば、
    いらない病院と言うか、統合すべき病院がたくさんある…
    これが病院の現状なのです。
    それに触れないで、大きいことはいいことだ、
    手術回数の総量が多い病院は良い病院だ、
    と単純に判断しているとすれば問題なのです。

関根 なるほど。各病院の手術回数から
    病院選びをするとすれば、
    まず「いらない病院」をみつけよう…ということですか。


←前回記事へ

2003年10月10日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ