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         第469回 
          入れるより出す! 「キレ」の排毒法 
        11月16日に開かれた、 
          マクロビオティック医学シンポジウムの 
          ちょっと耳寄りな講演内容を報告します。 
        「こうすればガンの5年生存は掴める」という僕の講演は、 
          このコラムでもしょっちゅう書いている、 
          「スローヘルスのすすめ」ですから省きますが、 
          その日のメインスピーチは、 
          大阪体育短期大学・精神医学が専門の 
          鈴木英鷹教授による「精神疾患を治す食養生」でした。 
          つまり、若い世代に蔓延する 
          「キレ(統合失調症)や鬱病」は 
          どう食事を変えれば治せるか 
          という興味深い話です。 
        前回のこのシンポジウムで、 
          岩手大学の大沢博教授が 
          「30歳前後の暴力、虐待、ひきこもりの原因= 
          キレる原因は缶コーヒー、缶コーラなど糖分の摂り過ぎにある」 
          という話をされましたが、 
          その続編といった内容でしたので、 
          参加者が真剣に聞き入っておりました。 
        陰と陽の配当表に基づいて症状と食養生について 
          話をされましたので、 
          玄米菜食法に関心のある向きには、 
          じつに分かりやすいものでした。 
        精神疾患のうち 
          ● キレ=統合失調症は興奮状態で陽性、極陽性の症状。 
            肝臓に障害があり、怒りをあらわにする。 
        ● 鬱病は活動低下状態で陰性。よい陽性の弱まった状態。 
            腎臓に障害があり、恐れをもたらす。 
          ――こうした関係にあるそうです。 
        さて、キレ=興奮状態は 
          塩分、油脂、砂糖の過剰摂取が原因だそうですが、 
          その食事による改善法には… 
        1.動物性食品・油料理に含まれる塩分の過剰摂取→ 
            入浴や第1大根湯などの飲み物で脱塩をはかる。 
        2.食品に含まれる油脂の過剰摂取→ 
            酸味のある果物、トマト、椎茸スープなどで抗酸化をはかる。 
        3.機能性低血糖症の引き金となる砂糖の過剰摂取→ 
            水あめやカボチャなどの自然食品の甘味を取る 
          ――こうしたことをあげていました。 
        さらに興奮状態で暴れる患者の症例として、 
          浣腸後、100%のリンゴジュースを飲ませたところ、 
          大量の排便があり、騒がなくなった… 
          こうした症例を挙げていましたが、 
          脳と腸とは深く係わり合っている器官で、 
          精神疾患にしても、塩分、油脂、砂糖の過食を 
          改めることもさることながら、 
          やはり、マクロビオティックでも提唱している、 
          食べるだけでなく出す排毒法、つまり、 
          「入れるより出す」の食の工夫が大切のようです。 
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