元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第607回
ガン患者300万人の不安

いま、ガン治療で期待されている
最大の問題は何でしょうか?
最新医療技術の研究でしょうか?
最新抗ガン剤の開発でしょうか?

診療にはキュア(治療)&ケア(世話)の両面が
必要なのですが、
大学病院や総合病院で置き去りにされているのは、
患者に対するケアの問題でしょう。

日本には、300万人のガン患者、
ガン体験者がいますが、
大半は「手術が終われば即退院」
再発すれば「抗ガン剤の大量連続投与」、
こじれると「余命半年です」と宣告される、
これで終わり――というのが現実です。
はっきりいって、
大半の患者が、副作用と後遺症、
そして再発転移の恐怖に置き去りに去れているのです。

いや、そんなことはない、
最新治療でガンが治っているじゃないか?
と、よく著名な教授たちがテレビ番組などで
自慢しておりますが、実態は違いますよ――
という、アンケート調査がありますので、
ちょっと紹介しておきましょう。

新聞にも出ましたから読んだ人もあるでしょうが、
今年の3月に、静岡がんセンターの山口建総長を班長とする、
「ガン患者の悩みに関する8000人調査」が
厚生労働省から発表されています。
なんと、
患者や経験者の悩みは、
再発の不安など「心の問題」が占める割合が、
症状や後遺症など身体的な悩みの3倍以上もあることが、
分かったのです。
最も多かった悩みは、
1.再発や転移への不安など「心の問題」(49%)
2.抗ガン剤の副作用や手術に伴う後遺症(15%)
3.子どもや配偶者の将来など家族関係 (11%)
4.職場復帰や医療費の支払いなど就労・経済的負担(8%)――

はっきりいって、300万人ガン患者が
いま、野ざらしになっている――
これが高齢化日本の、
世界に冠たる?医療制度の現実なのです。
というわけで、
患者自身が自己防衛に腐心する患者学や
僕たちのようなスローヘルスの運動、
さらに土屋繁裕医師などが実践している、
トータルケアのガン相談施設が必要になり、
いま見直されている所以なのです。


←前回記事へ 2004年4月25日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ