元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第671回
軍用ヘリで脱出してきた日本人たち

桃源郷・フンザを目指した僕たちのツアーは、
フンザの最大都市・キルギットで、
イスラム教・スンニ派の暴動が起こったために
カラコルム・ハイウエーに軍事非常線が張られ、
前に進めなくなってしまったのです。

数少ない情報をガイドさんたちがまとめてみると、
フンザのあたりはスンニ派の居住者が多いところですが、
パキスタン全体ではシーア派が勢力を占めているために、
どうやら、教育問題で騒動が起こったというのです。
教科書にスンニ派の歴史記述が載っていないので、
これを何とかしろという闘争が発端で、
首謀者たちが政府から逮捕されたことが、
この騒動を複雑にさせ、
ついに釈放要求の暴動に発展したらしいのです。

日本にしても、
イラク、アフガニスタンの戦争のときも、
イスラム内部の宗派抗争はかなり根深いことは
聞いてはおりましたが、
まさか平穏を伝えられた
北部パキスタンで、
この騒ぎに巻き込まれるとは思いませんでした。

とにかく行ける所までいって、
軍隊と交渉してみようと、
プアールという軍の駐屯地までいったのですが、
とてもバリケードの向こうには行けないのです。
とうとう、
チラスのシャングリラホテルでもう一泊して、
様子を見ることになったのです。
いやはや、大自然にはぐくまれた
桃源郷を求めての旅でしたが、
21世紀の冷酷な現実は
なかなかユートピアを覗かせてくれないものなのですね。

もしかしたら、桃源郷を見ることも、
ヒマラヤ西麓の霊気あふれる
中国国境地帯を見ることも
かなわないかも知れないと
僕たちが落胆して、
ホテルの夕食を取っているときでした。

ドヤドヤと、10名あまりの、
日本人のツアー観光客が疲れたような顔つきで入ってきたのです。
なんと4日前に
バスで桃源郷=フンザに入ったのですが、
暴動の余波で道路が封鎖されたために、
帰路が遮断されて、
2日間待って、パキスタン軍の
軍用ヘリコプターに救出されて、
やっとのことで戻ってきたというのです。


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