元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1021回
中高年マーケットの勝者は?

「中高年よ、芸能人といっしょに元気に年をとろう」
というユニークなコンセプトのシニア雑誌
「好きだからいっしょ」の創刊号は
7月末に発売するそうです。

この雑誌をわが身の定年後にスタートとした
栗田さんによると、
「定価0円、業者の買取と広告収入でまかなう
 フリーペーパー(無代誌)で
 しっかり採算も取ってある」というのですから、
一般の書店では買えません。

どこで手に入れることができるかというと、
カラオケスナックや
新宿コマ劇場や大阪新歌舞伎座といった劇場、
もちろん、老人向けの福祉施設にも置くように
準備しているというのですから、
普通の中高年雑誌市場の隙間を縫う、
まさにニッチな戦略ということになります。
いずれ、みなさんも目にするでしょう。

たしかに、高成長期に団塊の世代が
口ずさんだ演歌や懐かしの流行歌は
民放のテレビからもラジオからも、
取り上げられることが少なくなりましたから、
この雑誌が劇場公演やカラオケの世界で
貴重な情報源として認知されれば、
しっかりシニアの心を掴むことになります。
そういえば、
NHKの「ラジオ深夜便」といった番組も
早起きの中高年層に人気がありますね。

よく、現役のキャリアや専門を生かして
再就職したい、定年後の起業をしたいという
50代、60代は多いわけです。
また、これからは中高年マーケットが狙いだと
口にすること、頭で考えることは簡単です。
しかし、その成否は、やはり、30代、40代に
真剣になって、その業界に精通し
信頼の人間関係を築けたかどうか?
そうしたキャリアを持つ人材が雑誌を作るかどうか?
ここが「団塊の世代」の大量定年後の
中高年マーケットを掴み、
新しいビジネスモデルを成功させる
キーポイントだと思います。
ここが、中高年マーケットの勝者と敗者の
分かれ目でしょう。

株の世界の先取り法則に
「人の行く裏に道あり花の山」
という諺がありますが
若いときに培った、
他人には見えない努力が、
定年後に実る、という意味に通じるでしょう。
僕は、そうしたことを思いながら
このユニークな「歌う!中高年雑誌」に期待して
眺めているわけです。


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2005年6月13日(月)

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